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日本史と世界史を関連付けて覚える(明治維新〜立憲国家成立)

高校受験の歴史の勉強をする際、日本と世界の出来事を関連付けて覚えると効果的です。

というのも、近現代史では国内の出来事と世界の出来事が関係していることが多いからです。

関連性を覚えることで記憶に残すことが出来るようにもなります。

漠然と出来事の名前や年号を覚えるのではなく、関連性を理解しながら日本の歴史を学んでいきましょう。

大政奉還から第一回衆議院選挙までの流れ

15代将軍徳川慶喜が大政奉還を行ったのが1867年です。

ここから日本は大きく変わっていくことになります。

では、世界の様子はどんな感じだったのでしょうか?

大きな出来事を年表にまとめてみます。

年号国内世界
1867大政奉還(英)カナダ自治領成立
1868五箇条の御誓文
1869版籍奉還(米)大陸横断鉄道開通
1870
1871廃藩置県・岩倉使節団(独)ドイツ帝国成立
1872
1873徴兵令・地租改正
1874民撰議院設立建白書
1875(英)スエズ運河会社株式買収
(仏)第三共和制憲法制定
1876
1877西南戦争(英)インド帝国成立
(米)エジソン蓄音機
1878大久保利通暗殺ベルリン会議
1879琉球藩が沖縄県に(米)エジソン白熱電球
1880
1881自由党結党(仏)チュニジア保護国化
(米)NY火力発電所建設
1882立憲改進党結党(英)エジプト支配
(米)石油トラストを組織
1883
1884(英)南東部ニューギニア占領
(独)北東部ニューギニア占領
1885内閣制度創設
ノルマントン号事件
1886(英)ミャンマー併合
(独)マーシャル諸島占領
1887(仏)仏領インドシナ成立
1888
1889大日本帝国憲法発布
1890第一回衆議院選挙

 日本は国内のことで手一杯です。

同じ時期、欧米諸国はアフリカやアジアの国々を植民地にしていきました。

日本国内の出来事

1867年:大政奉還

10月14日:第15代将軍・徳川慶喜が政権を朝廷に返上。260年以上続いた江戸幕府が実質的に終焉。


1868年:明治維新の始まり(明治元年)

鳥羽・伏見の戦い(1月):旧幕府軍と新政府軍(薩長中心)の戦い。新政府軍が勝利。

江戸開城(4月):西郷隆盛と勝海舟の会談で江戸無血開城。

五箇条の御誓文(3月):明治天皇が新政府の基本方針を示す。


1869年:版籍奉還

藩主が領地(版)と人民(籍)を天皇に返還。形式的に土地と人民が国家のものとなる。

旧藩主は「知藩事」として引き続きその土地を治める。


1871年:廃藩置県

知藩事を免職し、全国を中央政府が任命した「県令」が治める「県」に再編。

同年、「岩倉使節団」が欧米視察に出発(大久保利通、伊藤博文ら)。


1873年:徴兵令・地租改正

徴兵令:満20歳の男子に兵役義務。士族特権の終焉。

地租改正:土地所有者が地価に応じて税(地租)を現金で納める制度に変更。安定財源の確保。


1874年:民撰議院設立建白書

板垣退助らが政府に国民による議会開設を求める建白書を提出。自由民権運動の始まり。


1877年:西南戦争

西郷隆盛が中心となって反乱。士族の不満爆発。

政府軍が鎮圧。これにより士族反乱が終結し、中央集権体制が確立。


1881年:明治十四年の政変(自由民権運動の勝利)

国会開設の勅諭が出され、1890年に国会開設を約束

板垣退助が自由党を結成(民権派が政治組織化)。


1882年:立憲改進党結党

大隈重信が立憲改進党を結党。


1885年:内閣制度創設・ノルマントン号事件

太政官制が廃止され、近代的な「内閣制度」に移行。

初代内閣総理大臣に伊藤博文が就任。

イギリス船ノルマントン号が紀伊半島沖で沈没。イギリス人ら乗組員はボートで脱出したが日本人客25名全員が溺死。英国領事が船長ら乗組員に無罪判決を出す。(世論の高まりで船長は禁固3ヶ月になったが、賠償金は認められなかった)この出来事により不平等条約解消の世論が高まった。


1889年:大日本帝国憲法発布

プロイセン憲法をモデルとした、欽定憲法(君主が定めた憲法)。

天皇主権・臣民の権利義務・帝国議会の設置などを規定。


1890年:第一回衆議院議員総選挙

7月1日〜30日:制限選挙(満25歳以上、納税額15円以上の男子のみ)による選挙が実施。

8月:第1回帝国議会が開会。


補足:この間の主な改革・制度

学制(1872年)→全国民に初等教育を義務化。

国立銀行条例(1872年)→金融制度の整備。

秩禄処分(1876年)→士族への家禄支給廃止。

富国強兵・殖産興業政策による近代産業の育成。

欧米諸国の出来事

🇬🇧 イギリス(立憲君主制と議会政治が進んだ国)

◉ 議会政治の発展

  • 1867年:第2回選挙法改正
    • 労働者など、より多くの男性が選挙に参加できるように。
  • 自由党と保守党が交代で政権を担当し、議会中心の政治が安定。
  • グラッドストン(自由党)とディズレーリ(保守党)の対立が有名。

◉ 帝国主義の始まり

  • 世界中に植民地を広げ、「太陽の沈まない国」と呼ばれる。
  • インドやアフリカへの進出が進む。

🇫🇷 フランス(革命と政変が多い国)

◉ 第二帝政の終わり

  • 1870年:普仏戦争で敗北 → ナポレオン3世退位
    • ドイツ(プロイセン)に負けたことで、第二帝政が崩壊

◉ 第三共和政の成立(1870年~)

  • 王政に戻らず、共和制(国民が主権を持つ政治体制)を維持
  • 政治は安定せず、政党の対立が続く。

🇩🇪 ドイツ(この時期に統一!)

◉ 統一前

  • 多くの小国に分かれていたが、プロイセン王国が主導。

◉ 統一へ

  • 1870〜71年:普仏戦争でフランスに勝利。
  • 1871年:ドイツ帝国が成立(ビスマルクが首相)
    • 皇帝(カイザー)はヴィルヘルム1世
    • ビスマルクが実質的な政治の中心。

◉ ビスマルクの政策

  • 鉄血政策(軍事と工業力で国を強くする)
  • 社会主義者への弾圧(社会主義者鎮圧法)
  • 保険制度などの社会政策も導入。

🇺🇸 アメリカ(内戦から一気に成長)

◉ 南北戦争(1861〜65年)

  • 奴隷制をめぐる対立 → 北部が勝利。
  • 1865年:奴隷解放宣言
    • 奴隷制度が廃止される。

◉ 戦後の復興と産業発展

  • 西部開拓が進む(ゴールドラッシュ、鉄道建設)
  • 移民が増え、工業が発展(アメリカの工業化が進む)

まとめ(超コンパクト)

主な出来事
イギリス議会政治の発展、植民地拡大
フランス普仏戦争で敗北 → 第三共和政へ
ドイツ1871年に統一(ドイツ帝国成立)
アメリカ南北戦争 → 奴隷制度廃止 → 工業化

欧米諸国の植民地政策

19世紀後半は「帝国主義」の時代と呼ばれ、列強(イギリス・フランス・ドイツ・アメリカなど)が世界中に植民地を広げていきました。

◆ 植民地を広げた主な理由(高校受験レベルに合わせて簡単に)

  1. 原料がほしい
     → 自国の工場で使う「綿花・ゴム・石炭・鉄」などが必要。
  2. 製品を売る場所がほしい
     → 植民地に製品を売って、お金をもうける。
  3. 国の力を示したい(ナショナリズム)
     → 「多くの植民地=強い国」という考え方。
  4. キリスト教を広めたい
     → 宣教師が植民地に派遣され、現地の人に宗教や西洋の文化を教える。

【各国の植民地と進出先(1867〜1890年頃)】

🇬🇧 イギリス:世界最大の植民地帝国

  • インド(最重要。1858年から正式にイギリス領)
  • ビルマ(今のミャンマー)
  • マレー半島
  • エジプト(スエズ運河を支配)
  • 南アフリカ(ケープ植民地など)
  • オーストラリア、ニュージーランド(白人移民が中心)
  • カナダ(自治領)
  • その他:香港(アヘン戦争後)

📝 この時期のイギリスは、「インド〜エジプト〜イギリス」を結ぶルートを重視していました(海上交通のため)。


🇫🇷 フランス:アフリカや東南アジアへ進出

  • インドシナ(ベトナム・カンボジア・ラオス)
  • アルジェリア(1830年に占領)
  • 西アフリカ諸国(セネガル、コートジボワールなど)
  • マダガスカル島

📝 イギリスに遅れをとりながらも、特にアフリカで広い地域を支配しました。


🇩🇪 ドイツ:統一後に植民地獲得をスタート(まだ少なめ)

  • カメルーン
  • ナミビア(当時:ドイツ領南西アフリカ)
  • タンザニア(当時:ドイツ領東アフリカ)
  • トーゴ
  • 一部の太平洋諸島

📝 ドイツは1871年に統一されたばかりだったので、植民地競争では遅れて参加しました。


🇺🇸 アメリカ:この時代はまだ準備中

  • アラスカ(1867年、ロシアから購入)
  • 西部開拓(先住民の土地)
  • 太平洋の島々に関心を持ち始める
    • ハワイ、サモアなど。

📝 本格的な植民地拡大(例:フィリピン)は1898年の米西戦争以降です。


まとめ表

主な植民地や進出先(1867〜1890)
イギリスインド、エジプト、南アフリカ、ビルマ、マレー、カナダ、オーストラリア
フランスベトナム、カンボジア、ラオス、アルジェリア、西アフリカ
ドイツカメルーン、ナミビア、タンザニア、トーゴ
アメリカアラスカ、西部、太平洋の島々(ハワイなど)

まとめ

「日本と世界を同時に覚える」と、入試でも歴史の流れがつかみやすくなりますよ!

また、「なぜ?」「どこを?」をセットで覚えると、帝国主義の流れがぐっと理解しやすくなります。

地図帳で位置の確認もしっかりしておくようにしましょう。

漫画を使って勉強するのも効果的です。

文字だけでなく絵があると興味が持ちやすくなりますし、記憶に残りやすくもなります。

さて、この後の時代は更に国内の出来事と世界の出来事が関連しています。

関連する事柄をまとめながら覚えると効率よく覚えることが出来ます。

丸暗記にならないよう注意しながら歴史の勉強をしていきましょう。

明治維新と文明開化 【中学・高校受験】社会の歴史(明治維新と文明開化)

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