地理の学習は上手くいっていたお子様も歴史になった途端、躓いてしまうことがあります。
躓いてしまう理由は、地理よりも覚えることが多くなるからです。
ただ、最初から躓いてしまうのではなく、平安時代の学習から躓いてしまうお子様が多いです。
平安時代の学習になる前に、歴史に興味を持てるようにすることが大切です。
また、歴史には流れや要因があるので、関連性を持たせてポイントを要領よく覚えるようにして下さい。
歴史の最初に勉強する旧石器時代・縄文時代・弥生時代・古墳時代は覚えることが少ないので、完璧に仕上げていきましょう。
赤字の部分が重要ポイントです。
旧石器時代
約1万3000年前〜1万2000年前まで
- 大陸と陸続きになっていた
- 狩りや採集をして生活
- 石を打ち砕いて作った打製石器を使用
- 住居は持たず、ほら穴などで生活
旧石器時代の遺跡
①野尻湖遺跡(長野県)
- ナウマン象の歯の化石などが見つかっている
②岩宿遺跡(群馬県)
- 相沢忠洋によって、打製石器が発見された
※岩宿遺跡の発見により、日本に旧石器時代があったことが分かった
※打製石器を作るのに黒曜石が使用された
縄文時代
約2300年前まで(紀元前4世紀ごろまで)
- 氷河期が終わり日本列島ができた
- 縄目の文様の土器(縄文土器)が使われる
- 土偶が作られる
- 竪穴住居で生活(台地に定住)
- 狩りや漁、採集をして生活(貧富の差がない)
- 石を磨いて作った磨製石器や動物の骨などから作った骨角器を使用
※縄文土器・・・厚手でかざりや文様が多い(土器を使うことで、食材を煮たり、保存したり出来るようになった)
※土偶・・・安産や魔除けのために作られた人形
縄文時代の遺跡
①三内丸山遺跡(青森県)
- 縄文時代最大級の集落遺跡
- 物々交換によって交易していたことが分かった(新潟県で産出されるヒスイが発見されたため)
- 大型の建物が建てられていた(大型で深い穴が発見されたため)
②大森貝塚(東京都)
- 貝塚とは昔のゴミ捨て場
- アメリカ人のエドワード=モースによって発見された(明治時代)
③鳥浜貝塚(福井県)
- 縄文時代の人糞の化石が発見された(当時の食生活が分かった)
弥生時代
紀元前4世紀ごろ〜3世紀
- 薄手で固く、文様があまり見られない(弥生土器)が使われた
- 稲作が行われ、田下駄や石包丁が使用された
- 収穫した稲を保存する高床倉庫が作られた
- 貧富の差が生まれた
- 青銅器や鉄器が使用された
※弥生土器・・・東京都文京区弥生で初めて発見されたため弥生土器と名付けられた。薄手で固く実用的な土器。
※高床倉庫・・・床を高くすることで風通しがよく湿気を防げる。ねずみ返しの工夫が見られる。
※青銅器・・・祭器として使用。銅剣・銅矛・銅鐸・銅鏡などがあった。
※鉄器・・・戦いや農作業に使用。
弥生時代の遺跡
①吉野ヶ里遺跡(佐賀県)
- 敵の侵入を防ぐため集落の周りに柵や堀をめぐらせた、環濠集落のあとが分かる
②登呂遺跡(静岡県)
- 水田や集落のあとが発見されている
③板付遺跡(福岡県)
- 縄文時代の終わりから弥生時代にかけて行われていた稲作のあとが発見されている
大陸(中国)との交流
当時の日本は中国から倭と呼ばれていた。
中国の歴史書に書かれている倭
①「漢書」地理志(紀元前1世紀ごろ)
- 楽浪海中に倭人あり。分かれて百余国をなす・・・
- 「漢書」地理志の「志」の漢字に注意
- 「百余国」とあったら「漢書」地理志と覚える(キーワードは「百余国」)
②「後漢書」東夷伝(1世紀ごろ)
- 建武中元2年(西暦57年)、倭の奴国が来た・・・。光武が金印を与えた。
- 「金印」とあったら「後漢書」東夷伝と覚える(キーワードは「金印」)
- 金印は江戸時代に福岡県の志賀島で発見された
- 金印には「漢委奴国王」と書かれていた(「委」の漢字に注意)
③「魏志」倭人伝(3世紀ごろ)
- もと百あまりの国は三十カ国となり、中国に使いを送っている。
- その国はもともと男子を王としていたが、倭国乱れ、女子を王とした。名を卑弥呼という。
- 「卑弥呼」とあったら「魏志」倭人伝と覚える(キーワードは「卑弥呼」)
- 卑弥呼が治めていた国は「邪馬台国」と呼ばれている
- 「卑弥呼」「邪馬台国」を漢字で書けるようにしておく
古墳時代
3世紀ごろ〜7世紀ごろ
- 豪族と呼ばれる地域を治める一族が勢力争いをしていた
- 大和地方(奈良県)の豪族たちは大王(のちの天皇)を中心にまとまり、大和政権を作った
- 大王や豪族、地方の有力者は古墳と呼ばれる大きな墓を作らせた
- 古墳から埴輪と呼ばれる人形や副葬品が発見された
代表的な古墳
①大仙(大山)古墳(大阪府堺市)
- 日本最大の前方後円墳
- 仁徳天皇の墓とされている
②稲荷山古墳(埼玉県行田市)
- ワカタケル大王(雄略天皇)の名が刻まれている鉄剣が出土した
- 5世紀後半までに、大和政権が関東地方から九州地方まで支配していたと考えられる
- 円墳(円形の古墳)
- 方墳(四角形の古墳)
- 前方後円墳(円墳と方墳を組み合わせた古墳)
大和政権
氏姓制度・・・大王を中心にそれぞれの豪族がつくる「氏」と呼ばれる集団をまとめ、家柄によって「姓」(役職を示すもの)を与えた制度
日本統一・・・5世紀後半までに、大和政権が関東地方から九州地方まで支配していたと考えられる
朝鮮進出・・・大和政権は朝鮮半島南部にあった伽耶(かや)と結びつきを強め、更に朝鮮半島西部にあった百済(くだら)と組んで高句麗(こうくり)や新羅(しらぎ)と戦った。
朝鮮半島との交流
渡来人・・・古墳時代に朝鮮半島から日本に渡ってきた人
※渡来人によって、「儒教」「漢字」「仏教」「土器を作る技術」が伝えられる
※儒教とは孔子の教えで、「礼儀の大切さ」を説いている
※仏教は百済から伝えられたと考えられている
まとめ
旧石器時代・縄文時代・弥生時代・古墳時代のポイントをまとめてみました。
参考書を読むだけでなく、自分でノートにまとめてみることによって、覚えることが出来たりもします。
ノートにまとめる際、文章で書くのではなく、ポイントを箇条書きや表を使ってまとめた方が後で見返しやすいと思います。
たとえば、旧石器時代・縄文時代・弥生時代は表にすると良いでしょう。
旧石器時代 | 縄文時代 | 弥生時代 | |
時代 | 約1万3000年前 〜1万2000年前 |
約2300年前まで (紀元前4世紀ごろまで) |
紀元前4世紀ごろ 〜3世紀 |
住居 | ほら穴など | 竪穴住居 | 竪穴住居・高床倉庫 |
遺跡 | 野尻湖遺跡(長野県) 岩宿遺跡(群馬県・相沢忠洋) |
三内丸山遺跡(青森県) 大森貝塚(東京都・エドワード=モース) 鳥浜貝塚(福井県) |
吉野ヶ里遺跡(佐賀県) 登呂遺跡(静岡県) 板付遺跡(福岡県) |
道具 | 打製石器 | 縄文土器 磨製石器 骨角器 土偶 |
弥生土器 田下駄・石包丁 青銅器(祭器) 鉄器(戦いや農作業) |
覚えるための工夫をしながら、歴史分野でしっかり得点が取れるよう頑張って欲しいと思います。