飛鳥時代は聖徳太子が出てくる時代です。
前回の旧石器・縄文・弥生・古墳時代に比べ、人物名を覚えていく必要があります。
「覚えることが増えて大変だ」と思うかもしれませんが、逆に人物ごとにまとめていけるので覚えやすかったりもします。
飛鳥時代以降は、関連する事柄を人物を中心にまとめて効率よく覚えていくようにしましょう。
年号も覚えないといけないものがありますが、まずは流れを重視し人物・出来事の順番で覚えると覚えやすいと思います。
前の時代中学・高校受験の社会の歴史(旧石器・縄文・弥生・古墳時代のポイント)
飛鳥時代
6世紀末〜710年
- 天皇を中心とした朝廷による国づくり
- 政治の中心である都が飛鳥地方(奈良県)におかれた
聖徳太子の政治
①蘇我氏と物部氏の対立
- 6世紀後半、朝廷の内部で蘇我氏と物部氏が対立し政治が乱れた
②聖徳太子に関連して覚える事柄
- 仏教を信じ、蘇我馬子とともに物部氏を滅ぼし天皇中心の政治の仕組みを整える
- 推古天皇(女性)の摂政となった
- 冠位十二階(603年):家柄でなく能力で役人を選んだ
- 十七条の憲法(604年):役人の心得を示した
- 遣隋使(607年):小野妹子を隋(中国)に送り、対等な外交を求めた
- 法隆寺(奈良県)や四天王寺(大阪府)などの寺院を建立した
※摂政:天皇が女性や子どもだったときに代わりに政治を行う役職
※「和をとうとび〜」とあったら十七条の憲法と覚える(キーワードは「和をとうとび」)
※十七条の憲法にある「三宝」とは「仏」「仏教の教え(法)」「僧」のこと
※「日出づる国(日本)の天子、書を日没する国(隋)の天子にいたす。」聖徳太子が隋に送った手紙の内容
大化の改新
背景:聖徳太子が亡くなった後、蘇我蝦夷・入鹿の親子の力が天皇よりも強くなった
→645年、中大兄皇子と中臣鎌足らが蘇我氏を滅ぼす
この年、中大兄皇子は元号を「大化」とし、これが日本で初めての元号となる。
このような一連の出来事を「大化の改新」という。
遣唐使
- 中国は、隋に変わって唐となる
- 初の遣唐使として犬上御田鍬が派遣された
- 中大兄皇子は唐の政治を手本として「改新の詔」を定めた
- 犬上御田鍬
- 阿倍仲麻呂
- 鑑真
白村江の戦い
- 緒戦半島では新羅によって百済が滅ぼされた
- 中大兄皇子は百済を救うため、朝鮮半島に出兵した
- 663年、白村江の戦いで唐・新羅の連合軍と戦い負けた
- 戦いに負けた後、中大兄皇子は都を大津宮(滋賀県)に移し、天智天皇として即位した
天武天皇と持統天皇
天智天皇の死後、大海人皇子(天智天皇の弟)と大友皇子(天智天皇の子)が跡継ぎ争いをした。
この跡継ぎ争いを壬申の乱という。
- 天智天皇の跡継ぎ争い
- 大海人皇子VS大友皇子
- 大海人皇子が勝利→天武天皇となる
※天武天皇の時代に日本最古の貨幣とされる富本銭が作られたと考えられている
※富本銭が発見されるまでは、和同開珎(708年)が日本最古の貨幣とされていた
天武天皇の死後、后が持統天皇として即位した。
694年、都を藤原京(奈良県)に移した。
※藤原京は、日本で初めて作られた本格的な都
律令政治
①大宝律令(701年)
- 藤原不比等らによって、日本初となる本格的な律令である大宝律令が作られた
- 大宝律令は唐の政治を参考にして作られた
- 律:刑罰のきまり
- 令:政治のしくみ
②律令政治
- 中央には2官8省が置かれ、地方は国・郡・里、太宰府(九州)が置かれた
- 土地や人民は国家のものとされた(公地公民)
- 戸籍が作られた(6年おき)
- 6歳以上の男女に口分田が与えられた(班田収授法)
③税
- 租庸調とよばれる税
- 租:収穫の3%の稲(地方の役所におさめる)
- 庸:布をおさめる(都で10日間働く変わりに、中央政府の財源)
- 調:地方の特産物をおさめる(中央政府の財源)
租庸調の他にも農民の負担となるものがあった。
雑徭:国司のもとで年間60日以内の労働
兵士:国ごとの軍団で訓練
衛士:兵士から選ばれ、1年間都の守り
防人:兵士から選ばれ、3年間九州の守り
※農民の負担は特に男子が重かったので、戸籍をごまかして女子とする者もいた
奈良時代
710年〜794年
- 元明天皇が710年、藤原京から平城京(奈良県)に都を移した
- 平城京に都が置かれた80年間を奈良時代という
- 平城京は碁盤の目のように道路で区切られていた
- 唐の都(長安)をモデルとして作られた
- 木簡に特産物が記載されていた
- 地方の農民は苦しい生活をしていた(山上憶良「貧窮問答歌」)
※木簡:木の札に墨で文字を記入する、昔のメモ用紙のようなもの
聖武天皇の政治
- 国ごとに国分寺・国分尼寺を作らせた
- 東大寺の大仏(743年)を作らせた(完成は752年)
- 三世一身の法(723年)、墾田永年私財法(743年)を出した
※東大寺の大仏作りには、行基という僧が協力した
※三世一身の法:土地の一部私有を認める法
※墾田永年私財法:開発した土地を永久に私有することを認める法(公地公民がくずれる)
※貴族や寺社は荘園という私有地を開発していった
飛鳥時代・奈良時代の文化
この時代から歴史の流れとは別に、「文化」についても覚えていく必要が出てきます。
「文化」は別途まとめていくと、定期テストや入試直前に確認しやすくなると思います。
飛鳥時代の文化
- 日本初の「仏教文化」
- 法隆寺(聖徳太子が作ったとされる)
- 釈迦三尊像・玉虫厨子
奈良時代の文化
- 天平文化と呼ばれる仏教文化
- 東大寺(聖武天皇)
- 唐招提寺(鑑真)
- 正倉院(東大寺にあり聖武天皇の遺品を集めてある)
まとめ
段々と本格的な歴史の学習となってきます。
覚えることが増えてくるので、ポイントを絞って工夫をしていくようにしましょう。
最初にも書きましたが、「関連する事柄を人物を中心にまとめて効率よく覚えていく」ことが大切です。
年号で出来事を覚えるのは非常に大変だと思います。
ただ、テストに出やすい年号は覚えないとですが。
645年:大化の改新
701年:大宝律令
710年:平城京
743年:大仏を作らせる・墾田永年私財法
飛鳥時代・奈良時代については、上記年号はよくテストに出ています。
自分なりにノートにまとめながら、しっかりと覚えるようにして下さい。