室町時代まで来ると段々と覚えることが増えてきて、日本の歴史の学習が大変になっている頃かと思います。
室町時代は足利尊氏・足利義満・足利義政の3人を中心に覚えるようにしましょう。
室町時代は戦国時代に続いていきますので、男の子であれば興味が持てるかもしれません。
歴史の勉強に限ったことではありませんが、興味を持つことが出来ると覚えることが苦でなくなっていきます。
なるべく興味が持てるよう、色々と工夫をしてみることが大切です。
たとえば、最近の人物図鑑は絵が綺麗なので女の子でも興味が持てるかもしれません。
それでは、室町時代のポイントについて見ていきたいと思います。
自分でノートにまとめながら、覚えるようにして下さい。
室町時代
1333年〜1573年
- 1333年に鎌倉幕府が滅亡
- 1338年に足利尊氏によって室町幕府(京都)が開かれる
室町時代は「建武の新政時期」「南北朝時代」「室町幕府の安定期」「戦国時代」の4つに分けることが出来る。
建武の新政と南北朝時代
鎌倉時代末期、後醍醐天皇が幕府を倒そうとするが失敗。(隠岐に流される)
後醍醐天皇は隠岐を脱出し、再び鎌倉幕府を倒そうと楠木正成・足利尊氏・新田義貞の協力を得て1333年に鎌倉幕府を滅ぼした。
建武の新政
- 1334年、後醍醐天皇は元号を「建武」と改めた
- 天皇や公家(貴族)を中心とした政治を始める
武士にとって不公平で、武士の不満が高まった。
建武の新政は2年で失敗した。
南北朝時代
- 後醍醐天皇と足利尊氏が対立
- 足利尊氏は後醍醐天皇を破り、新しく光明天皇をたてた
- 後醍醐天皇は吉野(奈良県)に逃げた
京都の朝廷(北朝)と吉野の朝廷(南朝)の対立が始まり、各地で戦乱が起こった。
この時代を南北朝時代という。
室町幕府
- 1333年、足利尊氏は北朝の天皇から征夷大将軍に任じられた
- 足利尊氏が京都に室町幕府を開いた
- 幕府の中心が京都の室町に置かれたため、室町幕府という
織田信長によって、15代将軍の足利義昭が追放されるまでの240年間を室町時代という。
室町幕府のしくみ
- 将軍を支える「管領」という役職が置かれた
- 中央に「侍所(軍事・警察)」「政所(幕府の財政)」「問注所(記録の保管)」
- 地方に「鎌倉府」「守護」「地頭」
守護が成長して守護大名となり、地頭を支配して、守護に任じられた国を領国のように扱った。
中には将軍をしのぐ力をもつ守護大名もあらわれた。
足利義満と足利義政
室町時代を覚えるにあたり、足利義満と足利義政は非常に重要です。
足利義満
- 南北朝の統一
- 「花の御所」と呼ばれる屋敷を作った
- 「金閣」と呼ばれる別荘を作った
- 明(中国)と勘合貿易を行った(日明貿易)
上記の内容をもう少し詳しく見ると、
60年間対立を続けていた南北朝を統一した。
京都の室町に「花の御所」と呼ばれる屋敷を作り、幕府の中心とした。
京都の北山に「金閣」と呼ばれる別荘を作り、政治や外交を行った。
明との間で勘合と呼ばれる合札を使って勘合貿易(日明貿易)を行った。
倭寇と正式な貿易船との区別のため、合札を利用した貿易
※倭寇・・・中国や朝鮮の沿岸で活動した海賊(西日本の武士や商人が多かった)
輸出品:銅・硫黄・刀剣・工芸品
輸入品:生糸・銅銭(明銭)(特に「永楽通宝」という銅銭は、日本の経済を発展させた)
足利義政
- 「銀閣」を作った
- 応仁の乱が起こった
上記の内容をもう少し詳しく見ると、
1467年、義政の跡継ぎ争いなどから、京都で応仁の乱と呼ばれる戦いが行われた。(約11年間)
その結果、京都は焼け野原となった。
応仁の乱の後、各地の戦国大名が戦いを繰り広げる戦国時代となった。
琉球王国
- 15世紀初め、尚氏が沖縄島を統一し、琉球王国を建国した
- 琉球王国は、日本・中国・朝鮮・東南アジアとも交易をし、中継貿易で栄えた
室町時代の産業
室町時代になると農業技術、商業・工業・交通が発展した。
また、村や町も発達した。
農業技術
- 二毛作が広く行われるようになった
- 水車による水のくみ上げが行われるようになった
- 人糞などが肥料として使われた
室町時代になって、1日に3食食べることが普通になった。
商業・工業・交通
- 鎌倉時代に月3回だった定期市が月6回となった
- 商人たちが「座」と呼ばれる同業者の組合を作った
- 「土倉」や「酒屋」と呼ばれる金貸しを営む金融業者があらわれた
- 西陣織(京都府)や瀬戸焼(愛知県)といった特産品が作られた
- 「馬借」と呼ばれる運送業があらわれた
商業・工業・交通も室町時代に発展した。
門前町・・・大きな寺社を中心に発展した町(長野:善光寺、奈良:東大寺・興福寺)
村・町の発達
農民たちは自分たちで自治を行うようになった。
このような村を惣という。
村では「おきて」が作られ、「寄合」という会議を開いた。
一揆
領主に問題がある場合に、農民たちは団結して反抗した。
この反抗を「一揆」という。
多くの一揆は借金を帳消しにする「徳政令」を求める「土一揆」だった。
正長の土一揆(近江国:滋賀県)
馬借や農民が徳政令を求めて起こした一揆
山城の国一揆(山城国:京都府)
畠山氏を国人(土地の武士)と民衆が追放し、8年間自治を行った一揆
加賀の一向一揆(加賀国:石川県)
一向宗(浄土真宗)の信者たちが100年間自治を行った一揆
室町時代の文化
室町時代の文化は、公家(貴族)と武士の文化がとけあった文化。
足利義満の頃の北山文化と足利義政の頃の東山文化の2つがある。
北山文化
- 金閣(鹿苑寺)
東山文化
- 銀閣(慈照寺)
銀閣には「書院造」と呼ばれる現代の和風建築のような造りがある
その他
- 能(能楽)
- 水墨画(雪舟が有名)
まとめ
室町時代は登場人物がそれほど多くありません。
最初に書いたように、足利尊氏・足利義満・足利義政の3人を中心にまとめていくと良いでしょう。
出来事を覚えるのと同じように、農業技術や商業・工業・交通、一揆など、その時代の特徴を覚えることも大切です。
文化はそれほど多くないので、一気に覚えてしまいましょう。
まだ日本の歴史は続きますので、気を抜かず頑張っていきましょう。