いよいよ歴史の学習も最後となります。
戦後の昭和時代から平成時代にかけての歴史の学習です。
太平洋戦争が終わった後の日本は焼け野原からのスタートとなります。
そんな中、人々の努力により目覚ましい復興をとげていきます。
入試に出やすい年号もいくつかあるので、しっかり確認をしていきましょう。
ここまでの流れを掴んでおくことでスムーズに学習を進めることができます。
関連記事【中学・高校受験】社会の歴史(昭和時代・太平洋戦争)
それでは戦後の昭和の確認から始めていきましょう。
戦後の昭和時代
1945年に日本の敗戦で第二次世界大戦は集結しました。
1945年8月15日に天皇がラジオ放送で連合国に降伏することを伝える。(玉音放送)
1945年9月2日にアメリカの戦艦ミズリー号上で降伏文書の調印が行われた。(日本の代表は重光葵外相など)
戦後の民主化政策
日本を占領した連合国はGHQ(連合国軍最高司令官総司令部)を置いて、日本の民主化を進めていった。
GHQの最高司令官となったのがマッカーサー元帥
- 婦人の解放
- 労働組合の助長
- 教育の自由化・民主化
- 秘密的弾圧機構の廃止
- 経済の民主化
上記5つの改革を進めた(5大改革司令)
婦人の解放
1945年に衆議院議員選挙法が改正された。
女性に参政権が与えられた。
選挙権:満20歳以上の男女すべてに与えられた(人口の約50%)
1946年に新選挙法のもとで選挙が行われ、39名の女性議員が誕生。
労働組合の助長
1945年に労働組合法が定められた。
労働組合法:労働者が労働組合を結成し、団結して経営者に対抗できるようになった
1947年に労働基準法が定められ、労働時間の基準や男女同一賃金が決められた。
教育の自由化・民主化
1947年に教育基本法が定められた。
戦前の天皇制を支えていた教育勅語は廃止。
1947年に学校教育法が定められた。
男女共学、6・3・3・4制(小学校・中学校・高等学校・大学)が始められ、義務教育も6年から9年となった。
秘密的弾圧機構の廃止
1945年に治安維持法が廃止された。
治安維持法:1925年に定められた社会主義者を取り締まる法律。後に戦争反対者も取り締まられるようになった。
1946年に天皇が人間宣言を行った。
極東裁判(東京裁判)で戦争に関係した戦争犯罪人が裁かれた。
東条英機らは28人がA級戦犯とされ、7人が死刑となっている。
戦争に協力した人々は公職から追放された。
経済の民主化
政治にも大きな影響力を持っていた財閥を1945年に解体した。(財閥解体)
財閥解体:三井・三菱・住友・安田の4大財閥の解体など
1947年に独占禁止法が制定された。
独占禁止法:大会社の独占を禁止する法律
終戦直後の日本は食料不足に陥っており、地方への買い出しや公定価格を守らない闇市に人々が集まっていた。
1945年に農地改革が始まり、地主制度の解体と小作農の解放を進めた。
地主の農地を国が買い上げ、安い値段で小作農に売られた。
これにより自作農(自分の土地を持つ)が増えた。
日本国憲法の制定
日本の民主化のためには憲法を変える必要があるとGHQは考えた。
大日本帝国憲法に変わる新しい憲法の作成を日本政府に指示したが、政府の改正案は大日本帝国憲法とあまり変わらなかった。
マッカーサーはGHQで新憲法の制作を進める。
1946年11月3日 日本国憲法 公布
1947年 5月3日 日本国憲法 施行
※11月3日(文化の日)、5月3日(憲法記念日)
日本国憲法の三大原則
- 国民主権
- 基本的人権の尊重
- 平和主義
日本国憲法に関しては「公民分野」で詳しく学習をします
戦後の国際情勢
第二次世界大戦は死者数が5000万人を超える悲惨な戦争だった。
この反省から国際連盟に変わり国際連合が1945年に発足した。
※国際連合については6年生で詳しく学習します
第二次世界大戦後の世界は、アメリカを中心とする資本主義国(西側諸国)とソ連を中心とする社会主義国(東側諸国)との対立が起こった。
実際には戦火を交えないアメリカとソ連の対立は冷戦(冷たい戦争)と呼ばれた。
資本主義とは「個人が土地やお金などの資本を持ち、自由な経済活動を行うこと認めた体制」
社会主義とは「貧富の差がない社会の実現を目指し、国が計画的な経済活動を行う体制」
朝鮮半島では北部をソ連が占領し、南部をアメリカが占領することとなった。
1948年8月15日に大韓民国(韓国)が建国された
1948年9月 9日に朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が建国された
1949年10月1日に中華人民共和国(中国)が毛沢東によって建国された
※中華民国政府(袁世凱)は台湾などに逃れた
朝鮮戦争
1950年、朝鮮半島で北朝鮮と韓国による朝鮮戦争が勃発。
中学入試で「1950年」という年号は重要になってきます
今まで多くの中学入試の問題を見てきましたが、出題されていることが多くありました
また、関連する事柄を覚える際にも役に立つので「1950年 朝鮮戦争」はしっかり覚えましょう
朝鮮戦争では、中国が北朝鮮を支援し、アメリカを中心とする国連軍が韓国を支援し、激しい戦いとなった
最終的には北緯38度線を境界として休戦となる
朝鮮戦争と日本
朝鮮戦争によりGHQの日本の占領政策にも影響が出る
1950年に日本で警察予備隊(1954年に自衛隊となる)が発足
アメリカが戦争に必要な物資を大量に注文したため日本は好景気(特需景気)となり、経済は一気に戦前の水準まで回復した
1951年、日本と連合国との間でサンフランシスコ平和条約が結ばれ、沖縄などの一部の地域を除いて日本が独立を回復
サンフランシスコ平和条約は吉田茂首相が全権として参加
ソ連は講和会議に出席しながら調印せず
中国は会議に招かれていなかった
1951年、日米安全保障条約が結ばれた
日本の独立後もアメリカ軍が日本国内に配備されることとなる
1956年、ソ連と日ソ共同宣言(鳩山一郎首相:自由民主党の初代総裁)が結ばれ、国際連合に加盟した
※ソ連とは北方領土問題があるため平和条約は現在も結ばれていない
1960年、日米安全保障条約の改定をめぐり、全国で安保闘争(反対運動)が起こった
岸信介首相が退陣し、池田勇人が首相となる
池田勇人:所得倍増計画をかかげ、日本の経済は「高度経済成長」と呼ばれる発展を遂げる
1963年、日本初の高速道路(名神高速道路)が開通
1964年、東京オリンピック開催、東海道新幹線開通(東京〜新大阪)
1965年、日韓基本条約(日本:佐藤栄作首相 韓国:朴正熙)を結び、韓国と国交回復
1968年、小笠原諸島返還
1970年、大阪で万国博覧会(万博)開催
1972年、沖縄返還、日中共同声明(日本:田中角栄首相 中国:周恩来)が調印され、中国と国交回復
中学入試で「1972年」という年号は重要になってきます
大きな出来事が2つ(沖縄返還・日中共同声明(国交回復))あった年の年号は出題されやすいです
例:1925年、治安維持法と普通選挙法が制定
1973年、第四次中東戦争が始まり、オイルショック(石油危機)が起こる
石油を中心に物価が上がり、日本の高度経済成長が終わる
1978年、日中平和友好条約(日本:福田赳夫首相 中国:鄧小平)が締結された
平成時代
昭和の終わり頃から始まったバブル経済(1986年〜1991年)が終わり、平成不況に突入
実体経済とかけ離れた不動産価格の上昇、株価の上昇により、景気が一気によくなったが、政府や日本銀行の政策変更により不動産価格や株価が暴落して終わりをむかえた
1989年、諸費税(3%)の導入
1990年、湾岸戦争が勃発
1992年、国際連合平和維持活動(PKO)で自衛隊がカンボジアに派遣
1995年、阪神・淡路大震災
1999年、欧州にユーロ誕生
2001年、アメリカ同時多発テロ事件
2011年、東日本大震災
まとめ
激動の昭和から平成までの流れを見てきました。
出来事以外にもノーベル賞関連も中学入試で出題されます。
湯川秀樹(ノーベル物理学賞)・川端康成(ノーベル文学賞)「伊豆の踊子」「雪国」・佐藤栄作(ノーベル平和賞)「非核三原則(核兵器を持たず・作らず・持ち込ませず)」を受賞しています。
ここから後の時代は「時事問題」として出題されることがあります。
関連記事【中学受験】2024年入試の最新時事問題集のおすすめ6冊
受験する年の10月〜11月に発売される時事問題集を購入して対策をしていきましょう。
歴史は流れを掴みながら、整理して覚えることで記憶に残しやすくなります。
まとめノートを1冊作り、テスト・入試前に確認ができるように準備をしておくことをおすすめします。