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【中学・高校受験】社会の歴史(江戸時代の生活と三大改革)

江戸三大改革

江戸時代の中期になると、幕府や藩は収穫を上げるための政策を取るようになります。

しかし、幕府の財政は厳しくなっていき、改革を実施することとなります。

今回は江戸時代の生活と三大改革のポイントについて見ていきましょう。

前回の内容【中学・高校受験】社会の歴史(江戸時代前半のポイント)

江戸時代の産業の発達

幕府や藩は収穫を上げるため、新田開発を行った。

新田開発の結果:耕地は豊臣秀吉の頃の2倍に増えた

百姓は農具や肥料の改良を行った。

農具の改良
  • 千歯こき(脱穀に使う)
  • 千石どおし(米の選別に使う)
  • 備中ぐわ(深く耕せるくわ)
  • とうみ(もみがらやごみを飛ばすのに使う)
肥料の改良
  • 干鰯(いわしを干したもの)
  • 油かす(なたね油のしぼりかす)

各地で特産物の栽培も行われるようになる。

  • 紅花(出羽国:山形県)
  • 藍(阿波国:徳島県)

上のような染の物の原料など。

江戸時代の工業

問屋制家内工業:問屋が道具や原料などを貸して、布を織らせて製品を安く買い取るやり方

工場制手工業(マニュファクチュア):商人が都市に工場を作り、人を雇って生産するやり方

【各地の工業】

  • 絹織物(桐生:群馬県)
  • 酒(灘:兵庫県)
  • 醤油(銚子:千葉県)

【各地の鉱山】

  • 佐渡金山(新潟県)
  • 石見銀山(島根県)
  • 足尾銅山(栃木県)

江戸時代の商業

株仲間:同業者の組織(幕府や藩に税を納めて営業を独占)

国産の貨幣の流通:金・銀・銭の3種類の貨幣

両替商:貨幣を交換する仕事(現在の銀行のもと)

江戸時代の交通

①江戸時代の年貢米や特産物は、船での輸送がメイン。

東廻り航路:北日本と江戸を結ぶ

西廻り航路:北日本と大阪を結ぶ

※北前船や菱垣廻船・樽廻船

五街道が整備された

東海道(江戸〜京都)

甲州道中(江戸〜下諏訪)

奥州道中(江戸〜白河)

日光道中(江戸〜日光)

中山道(江戸〜草津)

※宿場町:街道に置かれた宿場

※関所:通行する人々を確認する場所(入り鉄砲に出女

※飛脚:手紙などを運ぶ仕事

※江戸を守るために、おもな河川に橋をかけなかった

江戸時代の都市

三都:江戸・大阪・京都

江戸:将軍のおひざもと

大阪:天下の台所

京都:天子様のおひざもと

江戸には参勤交代のため、全国こから武士が集まった。

大阪は全国から年貢米などの産物が集まった。(蔵屋敷ができる)

百姓一揆と打ちこわし

江戸時代の百姓は、飢饉が起こると年貢の引き下げなどを要求して百姓一揆を起こした。

都市に住む町人たちは、飢饉が起こると米屋や商人をおそう打ちこわしを起こした。

※首謀者が分からないよう署名は円形にされていた

江戸の三大改革

  1. 享保の改革(徳川吉宗)
  2. 寛政の改革(松平定信)
  3. 天保の改革(水野忠邦)

徳川綱吉の政治

  • 湯島聖堂を建てる
  • 生類憐れみの令を出す
  • 質の悪い貨幣が発行された

仏教を保護した徳川綱吉は、命あるものを大切にする「生類憐れみの令」を出したり、寺院の建立を行った。

当時の幕府は財政が苦しかったので、貨幣の質を落とした。

(結果)経済が混乱し、人々の不満が高まる

新井白石の政治

5代将軍徳川綱吉の後、新井白石(儒学者)は6代将軍徳川家宣、7代将軍徳川家継に仕えた。

新井白石が行った政治は「正徳の治」と呼ばれる。

  • 生類憐れみの令の廃止
  • 貨幣の質をもとに戻す
  • 長崎貿易の制限

幕府の財政は厳しいまま変わらず。

享保の改革(徳川吉宗)

8代将軍徳川吉宗(紀伊藩:和歌山県)が行った享保の改革

享保の改革
  1. 新田開発を進める
  2. 上米の制(参勤交代をゆるめるかわりに米を納めさせた)
  3. 五公五民(年生の割合を引き上げた)
  4. 目安箱の設置(人々の意見を聞く)
  5. 公事方御定書(裁判を公正化)
  6. 洋書の輸入制限をなくす(漢文に訳したもの)
  7. 青木昆陽にさつまいもの栽培を研究させた

米将軍:徳川吉宗は米将軍と呼ばれた

田沼意次の政治

8代将軍の後、老中となった田沼意次が行った政治

享保の飢饉によって幕府の財政は再び悪化した。

田沼意次の政治
  1. 長崎貿易を盛んにした
  2. 株仲間を積極的に認めた

※この時代に蘭学(ヨーロッパの学問)が盛んになり、医学などが発展

寛政の改革(松平定信)

老中の松平定信が行った寛政の改革

天明の飢饉によって各地で百姓一揆や打ちこわしが多発した。

寛政の改革
  1. 寛政異学の禁(朱子学以外の学問を禁止)
  2. 囲米の制(飢饉に備え米を蓄えさせる)
  3. 武士を救うために借金を帳消しにした

※寛政の改革は幕府の財政を立て直すまでにはならなかった

天保の改革(水野忠邦)

天保の飢饉が起こると全国で百姓一揆や打ちこわしが多発した。

大阪で幕府の元役人だった大塩平八郎が反乱を起こす。(大塩平八郎の乱

老中の水野忠邦が行った天保の改革

天保の改革
  1. 上知令(江戸や大阪の周辺の土地を幕府の領地とした)
  2. 株仲間の解散
  3. 都市に来ていた百姓を農村に帰した

※天保の改革は失敗に終わった

まとめ

幕府の財政が厳しくなり、更に飢饉が起こったりし、将軍や老中が改革を行いました。

江戸の三大改革
  1. 享保の改革(徳川吉宗)
  2. 寛政の改革(松平定信)
  3. 天保の改革(水野忠邦)

三大改革の他にも、新井白石の政治や田沼意次の政治もありました。

それでも幕府の財政は改善せず、江戸幕府の支配は衰えていきます。

1603年から始まった江戸時代も終わりに近づいてきました。

覚えることが多い江戸時代は、分割して覚えるようにすると良いでしょう。

次回は江戸時代末期を見ていきたいと思います。

次回の内容【中学・高校受験】社会の歴史(江戸幕府の滅亡)

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