日本史と世界史を関連付けて覚える（中華民国発足〜普通選挙法）

大正時代になると世界との関わりが更に強まります。

高校入試で出題される大正時代の問題も国内だけに限ったものはほとんどありません。

歴史の流れをおさえながら確認していくことが大切です。

ここまでの流れを確認しながら、大正時代の様子を確認していきましょう。

2025年4月6日日本史と世界史を関連付けて覚える（大津事件〜関税自主権回復）

中華民国発足から普通選挙法成立まで

大正時代の日本はデモクラシーに沸き、大戦景気に沸き、その後の不況、震災に見舞われることに。

世界の国々は第一次世界大戦が勃発したり、革命が起こったりと戦乱の時代となった。

日本と世界の関係を確認しながら大正時代の出来事を確認していきましょう。

年号	国内	中国	欧米諸国
1912	桂太郎内閣発足第一次護憲運動	中華民国発足
1913
1914	第一次世界大戦
1915	二十一か条の要求
1916
1917			（露）ロシア革命（米）第一次世界大戦参戦
1918	シベリア出兵米騒動寺内内閣退陣原敬内閣発足
1919	パリ講和会議　　　　　　　（中）五・四運動　　　　（独）ワイマール憲法
1920
1921
1922			（露）ソ連発足
1923	関東大震災
1924	第二次護憲運動
1925	治安維持法普通選挙法

日本は第一次世界大戦で好景気となるが、大戦終了後は不況となり、更に関東大震災が起こる。

世界では第一次世界大戦や革命が起こった。

日本国内の出来事

🇯🇵 日本国内の主な出来事（1912〜1925）

年	出来事	理由・解説
1912年	明治天皇が崩御 → 大正時代の始まり	明治から大正へ。政治・社会に変化が訪れる時期。
1912〜1913年	第一次護憲運動	桂太郎内閣に対し、「憲政（政党政治）を守れ！」と国民が反発。結果、桂は退陣。政党内閣の重要性が広まった。
1914〜1918年	第一次世界大戦に参戦（連合国側）	ドイツのアジア・太平洋の拠点を占領。戦争景気で一時的に経済成長。
1918年	米騒動／シベリア出兵	米の値上がりに国民が反発。暴動が全国に広がった。シベリアではロシア革命への対応として出兵。
1918年	原敬内閣成立（初の本格的政党内閣）	平民出身で政党政治を重視。民本主義が強まる。
1920年	国際連盟に加盟（常任理事国）	世界平和のための国際機関。日本の国際的地位が高まる。
1921年	ワシントン会議	海軍の軍縮と中国の独立尊重を話し合った国際会議。日本も軍備縮小。
1923年	関東大震災	東京・横浜が大被害を受ける。火災も多く、社会に大きな影響。
1924年	第二次護憲運動 → 加藤高明内閣誕生	清浦奎吾の非政党内閣に反発して「憲政の常道」時代が始まる。政党内閣が基本となる。
1925年	普通選挙法の成立	25歳以上の男子すべてに選挙権。納税条件なし。民主化が一歩進む。
1925年	治安維持法の制定	共産主義など「国体の変革」を目指す運動を取り締まる法律。自由を制限する面も。

📝 護憲運動のポイント（高校入試でよく出る！）

護憲運動	内容と影響
第一次護憲運動（1912〜1913）	桂太郎が非政党内閣をつくったことに反発。 → 「閥族打破・憲政擁護」を掲げて運動が起こり、桂が退陣。
第二次護憲運動（1924）	清浦奎吾の非政党内閣に対して、政党が再び連携して反発。 → 加藤高明が首相に。「憲政の常道」が始まる。
✍ ポイント	政党内閣を求める国民の声の高まりを示す重要な運動。 → のちの普通選挙法成立にもつながる流れ。

✅ 高校入試まとめ：大正時代のキーワード

キーワード	内容
民本主義（吉野作造）	民衆の意見を政治に反映させようという考え。
政党内閣	政党の力でつくられる内閣。原敬や加藤高明が代表例。
普通選挙法	男子のみとはいえ、国民の政治参加が大きく進んだ。
治安維持法	選挙の自由が広がる一方で、思想・言論の自由を制限する側面も。
護憲運動（第1・第2）	国民の間で「憲法に基づいた政治（政党政治）」を守ろうとする動きが広がった。

世界の出来事

🇨🇳 中国（中華民国）

出来事	理由・解説
1912年：中華民国が成立（清の滅亡）	孫文らの辛亥革命により、2000年続いた皇帝の時代が終わる。
1915年：日本の「二十一か条の要求」	日本が中国に対して支配を強めようとした要求（山東省など）。
国内は軍閥が割拠する時代へ（〜1928年）	統一された国にならず、地方ごとに軍人たちが争った。

🇰🇷 韓国（朝鮮）

出来事	理由・解説
1919年：三・一独立運動	日本の支配に反対し、朝鮮全土で独立を求める大きな運動が起きた。

🇬🇧 イギリス

出来事	理由・解説
第一次世界大戦に連合国として参戦（1914〜1918）	ドイツの勢力拡大を防ぐため。
戦後は国力が衰える	大戦で多くの犠牲と借金が生じた。植民地でも独立運動が強まる。

🇫🇷 フランス

出来事	理由・解説
第一次世界大戦に連合国として参戦（ドイツと激戦）	ドイツとの国境（アルザス・ロレーヌ）を取り返すため。
戦後：大きな被害を受ける	戦場が自国に近く、被害が大きかった。

🇷🇺 ロシア（のちのソ連）

出来事	理由・解説
1917年：ロシア革命（ソビエト誕生）	貧富の差と戦争への不満から、帝政が倒され、共産主義国家に。
1922年：ソビエト社会主義共和国連邦（ソ連）成立	世界初の社会主義国として誕生。資本主義に対抗する存在に。

🇩🇪 ドイツ／🇦🇹 オーストリア

出来事	理由・解説
1914年：第一次世界大戦を始めた中心国（同盟国側）	サラエボ事件がきっかけでオーストリアが宣戦。ドイツが加勢。
1918年：敗戦・皇帝退位 → ドイツ共和国へ	戦争に負けて帝政が崩れ、民主的なワイマール共和国に。
1920年代：不況と混乱	賠償金が重く、経済が大混乱に。

🇺🇸 アメリカ

出来事	理由・解説
1917年：第一次世界大戦に途中から参戦（連合国側）	ドイツの無差別潜水艦攻撃などに反発。
1918年：ウィルソン大統領が「十四か条の平和原則」を発表	民族自決などを主張。平和な世界の実現をめざす。
1920年代：「狂騒の20年代」＝好景気の時代	自動車や家電、映画産業などが発展し、大きな繁栄。

✅ まとめ：この時代のポイント（高校入試向け）

大テーマ	内容
第一次世界大戦（1914〜1918）	多くの国が巻き込まれた近代初の世界戦争。
革命と変化	ロシア革命・ドイツ皇帝退位・中国の辛亥革命など、政治体制の大転換が多い。
日本の民主化	普通選挙法の成立に代表される「大正デモクラシー」が進む。
植民地支配と抵抗	朝鮮（三・一運動）、中国（21か条）など、日本の支配への反発も強まる。