中学受験の人気が高まっていることは知っていても、具体的にどんな学校があるのか、中学受験の各学校のレベル(偏差値)はどれくらいなのか、中学受験のために何をしたらいいのかなど、分からないことが沢山ある方も多いと思います。
特に初めてのお子様の場合、中学受験をさせた方が良いのかも分からないと思います。
そこで、近年の中学受験の状況や、先々の大学入試について確認をしてみてはどうでしょうか。
知らなかったことや勘違いが多くあるかもしれませんので、まず保護者の方が現在の様子を知ることが重要です。
今回は、大学入試の難化、中学受験に関する基本知識、保護者の方が読んでおくと良い本(雑誌)を紹介していきます。
目次
大学入試が難化している
文部科学省が2016年に定員を大幅にオーバーした場合に、私学助成金を減額すると通知しました。
私立大学は定員を厳格化するようになりました。
その結果、大学受験用の模試でA判定を取っていれば殆ど合格することが当たり前だったのが、不合格になる生徒が続出することとなりました。
関東の私立大学は、早慶上智・MARCH(明治・青山・立教・中央・法政)・日東駒専(日本・東洋・駒沢・専修)といった序列がありました。
この中で早稲田大学と駒沢大学の志願倍率を見て見ると、
大学名 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 |
早稲田大学 | 6倍 | 7.2倍 | 8.1倍 | 7.6倍 |
駒沢大学 | 3.7倍 | 4.4倍 | 5.2倍 | 6.9倍 |
受験者の安全志向が高まっているように見えます。
また、混迷を極めている大学入試制度の変革もあり、大学入試を不安視しているご家庭が増えています。
今後もこの流れが続くと思われますので、大学入試を避けて中学受験や高校受験で大学付属校に進学させようと考えるご家庭が多くなるのではないでしょうか。
中学受験をさせた方が良いお子様
では、どんなお子様なら中学受験をさせた方が良いかといいますと、「大人なお子様」の場合です。
「大人なお子様」とは、考え方が大人のように出来るお子様のことです。
「なぜ中学受験をするのか」を自分事として考えることが出来ないと、なかなか中学受験は上手くいきません。
周りのお友達が習い事(スポーツや音楽)をしたり、好きなだけ遊んでる中で、「自分は中学受験があるから勉強する」と決めて行動出来る意志の強さが必要です。
特に男の子の場合、成長する時期が中学生になってからという子もいるので、お子様の成長具合を見ながら中学受験をするか決めるようにしたいものです。
中学受験で失敗してしまうと、そのことがトラウマとなってしまうケースがあり、高校受験や大学受験に影響を及ぼしてしまいます。
また、保護者の方やご兄弟の方も中学受験に向けて協力する必要もあります。
中学受験をするお子様はまだ小学生なので、一人で全てのことをするのは無理です。
家族一丸となって中学受験に臨むことが出来ると結果もついてくるでしょう。
中学受験における御三家校
中学受験において男子御三家、女子御三家と呼ばれる学校があります。
- 開成
- 麻布
- 武蔵
- 桜蔭
- 女子学院
- 雙葉
上記の6校が男子御三家、女子御三家と呼ばれる学校です。
この中で高校からの募集があるのは開成だけとなります。
御三家と一括りで言われても、学校ごとに校風が違っているのでお子様の性格に合うかどうかをそれぞれ確認する必要があります。
また、自宅からの通学時間を考慮する必要もあるでしょう。
御三家と呼ばれる学校は大学進学実績が素晴らしいです。
第一志望校と併願校
中学受験をさせると決めたら、まず第一志望となる学校を決めるようにしましょう。
ご両親で通わせたいと思える学校を見つけることが重要です。
お父様が仕事で忙しく、なかなか志望校探しが出来ないという場合もあるかもしれませんが、第一志望校や併願校を決める際はご両親で話し合うことで中学受験を成功させることが出来ます。
仮にお母様だけで第一志望校や併願校を決めてしまうと、受験間近になってお父様が反対することがあります。
そうなると、お子様が非常に不安になってしまい勉強に集中することが出来なくなってしまいます。
第一志望校の決定まで
まずは第一志望となる学校だけも構いませんので、ご両親で情報収集をするようにしましょう。
情報収集をして、ある程度学校を絞ることが出来たら、実際に学校を見に行くようにして下さい。
実際に学校見学をして、思ったとおりの学校であれば、再度お子様を連れて学校を見に行くと良いでしょう。
お子様もその学校を気に入れば、第一志望校の決定です。
第一志望校の選定は小学4〜5年生のうちにしておくと、お子様のモチベーションが高まります。
小学4〜5年生のうちであれば、偏差値はあまり気にしなくても良いでしょう。
お子様やご家族の頑張りで、小学6年生から一気に偏差値が伸びてくることがあるからです。
併願校の決定時期
併願校に関しては、小学6年生になってから決めていくので問題ありません。
何校か併願校となりそうな学校をピックアップしておき、お子様の模試の偏差値を見ながら決めていきましょう。
参考となる模試の偏差値は小学6年生の9月〜12月のものとなります。
したがって、併願校の決定は小学6年生の2学期ということになるでしょう。
しかし、併願校であっても実際に学校へ足を運ぶようにして下さい。
万が一の時、お子様が通うことになる可能性があるので、本やネットの情報だけで決めるのはやめましょう。
併願校は何校くらい?
では、併願校は何校くらい必要か考えてみましょう。
東京の私立中学校の入試日は2月1日〜2月5日までと考えておきます。
主要な私立中学校の入試日が2月1日となっているので、第一志望校の受験日が2月1日となることが多いと思います。
ここで、12歳の小学6年生が初めての受験で緊張することを考えると、事前(1月中)に試し受験をした方が良いでしょう。
埼玉や千葉の私立中学校は1月中に入試日を設定していますので、1校は試し受験をして入試の雰囲気を感じておくことが本番に影響してきます。
1月中に受験をする際、合格出来る学校を受けておくと良いでしょう。
お子様に合格の喜びを知ってもらい、本番に向けてモチベーションを高めておくことが効果的です。
最近は午後入試を設定する学校が増えています。
上手に午後入試を利用することにより、併願校の幅を広げることが出来ます。
中には午後入試で特待選抜を実施している学校もあるので、チャレンジしてみるのも手でしょう。
特待選抜で合格すると、種類にもよりますが「入学金・授業料・施設費」などが免除されます。
また、特待選抜で合格したということは、入学者の中で上位の成績に位置していることになるので、成績を維持していけば大学入試の際に推薦を利用することが出来たりもします。
2月1日に第一志望校の入試がある方は、2月2〜3日に併願校を持ってくると思います。
具体的には、
2月1日 第一志望校・午後入試で実力相応校or特待選抜
2月2日 おさえの学校
2月3日 実力相応校
といったような感じでしょうか。
したがって、第一志望校の他に併願校は4校程度と考えます。
- 1月受験で入試の雰囲気を感じておき、モチベーションを高める
- 午後入試を上手に活用する
- 併願校はおさえの学校と実力相応校をバランスよく
中学受験に向けた勉強
お子様の成長具合を見ながら中学受験をさせることに決めた場合、小学4年生からは中学受験に向けた勉強をスタートさせたいものです。
そのために、小学3年生のうちに中学受験をさせるか1年間様子を見ていくと良いでしょう。
無理やり塾に通わせると上手くいきませんので、まずは自宅でしっかりと勉強が出来るか確認して下さい。
小学3年生のうちは、国語と算数の勉強をすれば問題ありません。
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自宅での勉強の様子を見て、中学受験をさせるか決めたら、本格的な中学受験用の勉強に取り組みましょう。
近年の入試の様子を見ていると、殆どの学校が4科目入試ですので、最初から4科目の勉強でスタートした方が良いです。
最初は2科目で慣れたら4科目にするという方もいますが、負担が2回くるので最初から4科目で始めた方がスムーズにいくことが多いです。
小学6年生の2月までという長い道のりで、途中で壁にぶつかることが何回もあると思いますが、家族一丸となって乗り越えていきましょう。
中学受験の参考になる本
中学受験の情報収集は専門の本を参考にすることをおすすめいたします。
多くの私立中学校があるので、ひとつひとつ学校のホームページを確認していくのは手間がかかります。
専門の本を読むことで学校ごとの情報を入手出来ます。
また、専門の本には受験情報も出ているので、初めて中学受験を経験する保護者の方の役に立つでしょう。
基本月刊で発売されている「中学受験進学レーダー」は、受験情報や学校情報が満載です。
小学6年生の保護者の方はもちろん、小学4〜5年生の保護者の方にも将来の受験に向けて読んでおくと役に立つと思います。
受験をさせるか、させないかから、受験当日の様子まで中学受験の全てが分かる1冊です。
また、中学入学後の後日談もあり参考になると思います。
漫画のため読む時間がそれほどかからないので、最初に読んでみると良いでしょう。
中学受験はお子様だけの受験ではありません。
保護者の方をはじめ、家族一丸となって臨むことで合格を勝ち取ることが出来ます。
もし塾に通うことになったとしても、保護者の方の協力なしに中学受験は上手くいきません。
保護者の方がやっておくべきこと、やってはいけないことが書かれていて参考になるでしょう。
上記の他にも、「学校案内」を見ておく必要があります。
「学校案内」は、第一志望校や併願校選びの参考になることでしょう。
まとめ
中学受験熱が高まっている中、「自分のお子様に中学受験をさせるべきか」で悩まれている方も多いかと思います。
高校受験は、ほぼ全てのお子様がするので悩むことはないでしょうが、中学受験はご家庭の意向でするかしないかを決めなくてはなりません。
近年の大学入試の難化傾向の様子を見ていると不安になることもあるでしょう。
ただ、お子様の成長状況を見て、厳しいと思った場合は高校受験で頑張った方が上手くいくケースもあります。
中学受験をさせると決めたら、ご家族全員の協力が必要となってきます。
最後までお子様に協力してあげ、合格を一緒に勝ち取る心構えを持って臨むようにして下さい。
保護者の方がお子様と協力して成功体験にしてあげることで、中学受験はご家庭の良い経験として残ることでしょう。